約10年ぶりの再結成を発表したロックバンド、X JAPANの東京ドーム3日連続公演(3月28、29、30日)のチケットが24日、一般発売され、約15万枚が一気に完売した。97年大みそかの東京ドーム解散ライブ後、発表した新曲は世界23カ国で配信した「I.V.」だけ。にもかかわらず、先行予約だけで応募が20万枚を超え、一般発売日に15万枚が瞬時で完売する実力は、現在の音楽シーンでも抜き出ている。ライブタイトルは「攻撃再開」。Xの戦闘態勢が整った。

 15万枚のチケットが、一般発売を迎えたこの日の午前10時から、わずか数秒で完売した。97年の解散から10年。再結成後に発表した新曲は「I.V.」の1曲だけ。しかも、配信のみのリリースでCDとしてはまだ世に出ていない。だが解散後も、Xは当時のファンの心をつかみ続け、リアルタイムでXを見ていない10代の若者までファン層を広げていた。実際、YOSHIKIの元に、10代のファンから「物心ついたときにはXはなかった」「1度でいいからXのライブを見てみたい」との声も寄せられている。リーダーYOSHIKIの息もつかさぬ激しいドラム、ボーカルTOSHIのどこまでも高音が伸びる歌声…。15万枚完売は、ビジュアル系ロックバンドの基礎を築き、解散後も「生で見てみたい」と思わせる伝説のバンドであり続けた結果だった。

 YOSHIKIが再結成ライブをファンに発表したのは今年1月20日。当初の予定は3月28日、30日の2公演だった。しかし、YOSHIKIのファンサイト(YOSHIKI mobile)だけで、先行予約の枚数が定員を上回る10万枚を軽く突破。他の先行予約サイトを含めると20万を超えてしまった。YOSHIKIは「1公演は埋まる(満員の)自信があって、2公演やれば、皆さんが見られるかなと思っていました」と予想を超える数に驚いた。激しいドラムプレーの代償で頸椎間板(けいついかんばん)ヘルニアを患ったYOSHIKIにとって「中1日の休養日」は絶対に必要だった。一時はステージ後方の席を開放し、最前列席500席を増やすアイデアもあったが、チケットが取れないファンの救済にはほど遠かった。1週間悩んだ末、約5万人を一気に救済できる追加公演を「休養日」の29日に行うことを決めた。「昔から支えてくれたファンの方が、チケットが取れないと聞き…。秋に追加公演をやろうということもあったんですけど、復活のタイミングで見てもらうにはここしかないと」と話していた。

 公演タイトルは「X JAPAN 攻撃再開2008 I.V.~破滅に向かって~」。28日は「破壊の夜」、29日は「無謀な夜」、30日は「創造の夜」でそれぞれ内容も異なる予定だ。YOSHIKIは、自分のブログで「何があってもそこに来てくれる15万人の親愛なるファンの人たちに感動してもらえるようなショーにするつもり。だけど、正直言うと少し不安なんだ…首の問題があるし手首も痛いし…。でもね、こうなったら全力でやるしかないよね」とコメントしている。

 YOSHIKIは「動と静があってX。7対3の割合で激しい曲になると思います。全公演ともセーブして(ドラムを)たたきたくない。命がけでたたきます」と宣言している。現在、16時間を音楽の仕事に費やし、そのうちの8時間はXに充てている。激しいドラムプレーに対応できるトレーニングにも余念はない。3年前にたばこをやめ、昨年の大みそか以降、ドーム公演の成功を目標に掲げ、酒もやめた。食事も高タンパク、低カロリーを心がけている。

 東京ドーム3日連続公演は92年1月にも経験した。最終日が終わった瞬間は「生きていた」。全身の痛みに襲われ、2日間ホテルのベッドの上だった。にもかかわらず、再び挑む3日連続講演。YOSHIKIはブログで「医者にも通い始めたし、カイロプラクターにも通い始めたし、はり治療も始めたし…そうだね、考えられることはすべてやり始めた。3日連続の公演を乗り切ることができるように」とつづっている。

 10年待ち続けたファンが15万人、東京ドームのアリーナ、スタンドを埋め尽くす。戦闘態勢は、ほぼ整った。今では日本以外に、アジア、欧米でも「Jロック」としてXの名前が広がっている。YOSHIKIは「10年、活動していなかったのに口コミで海外にも広がって。すてきなファンを持っていて感謝でいっぱい」と話す。長い間、待っていたファンに向けて、攻撃を再開したXの演奏がドームに響き渡る。


最終更新:2月25日9時50分
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