『実はhideの死の直後にも追悼ライブをしようという話が出たのですが、あまりにも精神的なダメージが強く、実現しませんでした。

亡くなった直後は、もう二度とステージには立ちたくないとさえ思いましたし、しばらくはスタジオにこもりきりの日々でした。

それが10年という歳月を経て少しずつ前向きな気持ちになってきた所にXJAPANの再結成や、hideが可愛がったバンド、『LUNA SEA』が一夜限りで復活したという偶然が重なり、今なら出来るかもしれないと決断しました。

3月にやった東京ドームでのXJAPANのライブでhideの昔の音源や映像を駆使して一緒に演奏する土台は築けたと思っています。かなりの手間と労力がかかりましたが、昔のように一緒にやっていると感じる事が出来ました。

5月3日には、彼のソロプロジェクト、『hide with Spread Beaver』が出演します。ドーム公演を踏まえて、hideを感じてもらえるようにできたらいいですね。イベントにはhideと仲の良かったバンドや、彼を尊敬するアーティスト達が参加してくれます。

僕には言わないけど、急に決まった状況の中でスケジュール調整などをしてくれたと思うと胸がいっぱいになります。

皆、快く賛同してくれましたが、「DJ OZMA」だけは不安がっていましたね。「すごく嬉しいですが、僕が出たらブーイングじゃないですか」と言うので、「それでいいじゃん。大事なのは気持ちだよ」と答えたら、「分かりました!」って。どのアーティストも好きなように演奏してほしいですね。

その方がhideのイベントらしいし、僕もXJAPANのメンバーとしてだけではなく、いろいろ仕掛けたいと考えています。

僕があまり表立って活動していなかった10年の間は若いビジュアル系バンドが地道に活動を続けてくれていました。

今こういうイベントが大々的にできるのは、彼らのおかげでもあると感謝しています。イベントでは僕らに負けずプレイしてくれるでしょうから楽しみにしています』

『僕にとってhideはバンドメンバーという枠を超えて、母親のような存在でした。LUNA SEAにとっては兄貴だったでしょうし、直接hideと関わっていなくとも、彼を慕う人は、今も家族のように感じているんじゃないのかな。

イベントに向けて並々ならぬ力を注いでいるhideの弟の裕士とも、こうして実現できる日が来るなんて夢のような気持ちだと話してました。hideの思いを受け止めて、イベントの売り上げの一部は、彼が支援した「全国骨髄バンク推進連絡協議会」などの慈善団体に寄付したいと思ってます。

決して悲しくならず、前向きなメッセージを伝えられるお祭り騒ぎにしたいですね。その方がhideも喜んでくれるはずです。XJAPANにとって海外進出は長年の夢でした。

ずいぶん前に計画した時は途中でうやむやになってしまいましたが、ここ数年、北米やヨーロッパでアニメやビジュアル系バンドなど日本発のものが評価され、海外のファンが増えたことでやっと現実になった。

ファンからは「私達の夢をかなえてくれてありがとう」というメッセージをもらいましたが、こちらこそ感謝の気持ちでいっぱいです。

最近のライブはすごく計算された面白さはあるけど、何が起こるか分からないという危うさがなくなっている気がします。

東京ドーム公演は開演時間が大幅に遅れたりとご迷惑もおかけしましたが、一つ一つの瞬間を積み重ねてお客さんと一緒に作り上げていくライブになったと自負しています。今の音楽業界に対しては、思い切ってやったらいいのにという思いが強い。

ネットを通じた配信事業だって、業界全体で一気に取り込めば、もっと活性化していたでしょう。

hideのイベントやXJAPANの新たな活動を通じて、そういう思いも伝えていけたらと思っています。

マジソンスクエアガーデンでの公演は、東京ドームでのライブが終わってから急遽決めました。

今の時代というのは昔なら5年かかる事が1年で起こったりします。

大切なのは大きなプロジェクトや組織でも機動性をもっている事。

例えばXJAPANのライブは本番中でもお客さんの状況に合わせて大胆に変更できるのが強みになっている。ですから、先の事は考えすぎずに、目の前の階段を一つずつ上がっていきたい。その先に何があるかは、行ってみないと分からないです。』
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