「どうしてお父さんを見逃したの?」
「別に。」
「食うって言ってたじゃない。なんでやめたのよ。」
「言ったろ。お前の親父は最初から親玉を炙り出すための道具だって。」
「カッコつけちゃって。」
「何が?」
「お父さんを助けたくせに。余計なことしないでよ。」
「は?」
「あの人は、一回ぐらい警察に捕まらないとわかんないのよ。
ちゃんと話して自首させようと思ってたのに。」
「そんなこと知るかよ。」
「私お礼なんてしないからね。」
「全然いらないです。」
「大体、あなたって何なの!?いい人なのか悪い人なのか、はっきりしなさいよ。」
「何なんだよ。」
「迷惑なの!
犯罪者ならそれらしく、悪いことだけしてればいいじゃない。
中途半端に、いいことしないでよ!」
「何が中途ハンパだよ。」
「詐欺師に復讐したいならすればいい!
けど、いちいち被害者を助けることないでしょう?」
「お前にはわかんねーよ。」
「都合が悪くなるとすぐそれ!」
「...言ったろ。俺とお前は所詮住む世界が違う人間なんだ。」
「...違う世界違う世界言わないでよ!」
「うるせーし、めんどくせー。」
「めんどくさくない!
...ドキドキする。
何で?
反発したくなる。
何で!?
私のことわかってもらいたい!
何で!?」
「っつーか何が言いてーんだ?」
「あなたが好きなの!......なのに何で......どうしてあなたは詐欺師なの?」
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