YOSHIKIが全世界でブレイク!? インターネットから生まれる新しい音楽の届け方


 2005年に始まったiTunes music storeをはじめ、さまざまな音楽配信サービスが立ち上がり、世間の注目を浴びる現在、インターネットを使ったアーティストの表現がさらに幅広いものになろうとしている。

アーティストの声がユーザーに直接届くポッドキャスト
 まず紹介するのはポッドキャスト(※編集部注1)。これはMP3などの音声ファイルを、iTunesなどの音楽プレイヤーソフトを使って、自動的に登録ユーザーへ配信するシステムのことを指す。音声ファイルをホームページに置いて、ユーザーに聴きにきてもらわなくてはいけなかった従来のやり方と違い、一度登録したユーザーに常に最新の情報を届けることができるのが特徴だ。登録したユーザーは自動的に配信されたものをいつでも聴くことができ、またiPodなど携帯音楽プレイヤーに入れてどこでも聴けるのが、ストリーミング(※編集部注2)を使ったインターネット放送とは違うところだ。

 Yahoo! JAPANでもこのポッドキャストを使った新サービス、Yahoo!ポッドキャストを2006年5月24日よりスタート。その第1弾として登場するのが、同日にニューシングル『milk tea/美しき花』を発売した福山雅治と、注目の女性シンガーAYUSE KOZUEの2組だ。テレビともラジオとも違う新しいメディア番組を体験してみてほしい。

 ポッドキャストは、パソコンさえあれば簡単に作れ、また大きなお金を使わなくてもいいので、アーティストが自分で始めることができる。アーティストが放送局を通さずにユーザーに直接音を届けることができるポッドキャストは、今までにない新しいメディアだといえよう。

世界中からアクセスが殺到。YOSHIKIの新プロジェクト
 そしてもうひとつ、世界中とつながることができるインターネットならではの興味深い現象が起きている。あのX JAPANのYOSHIKIの新プロジェクト、VIOLET UKが現在、世界中で聴かれているのだ。

 そもそもの始まりは、YOSHIKIがニューヨークにいる友人にVIOLET UKの新曲を聴かせるために、全米で急速に普及しているSNS(※編集部注3)の「My Space」(※編集部注4)に新曲の音源ファイルを置いたところ、その評判がネット上で急速に広がり、世界中からアクセスが殺到したのだ。レッド・ホット・チリ・ペッパーズやエミネム、グリーン・デイなど世界的なビッグミュージシャンも登録する「My Space」のアクセス・ランキングで、VIOLET UKが瞬間最高4位を記録したのだ。

「大ハプニング? だったけど、大半の人がVIOLET UKのことを知らないアメリカ、ヨーロッパからのアクセスだったみたいだから、結果的に良かったんじゃないかな」(YOSHIKI)

 CDとしての発売もなく、何の宣伝もしていない曲が、口コミだけで世界中に急速に広まったのは、インターネット時代ならではの現象だ。「My Space」は今はまだ英語版のみだが、すでに多くの日本人アーティストが登録していて、世界中のアーティストやファンと交流しているという。

 また「My Space」や最近爆発的な人気を得ている動画共有サイト、YouTube(※編集部注5)、ポッドキャストなどを使って、ミュージックビデオを配信するアーティストも出ている。

 ブロードバンドの普及を受けて、さまざまな技術や音楽サービスが生まれ、アーティスト自身が世界へ向けて直接作品を発信できる環境ができつつある。レコード会社や放送局といった従来の枠組を超えた、新しい音楽の届け方がインターネットから生まれている状況は、これからも注目しておくべきだろう。


(文 / 竹内知司)




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